山中湖

 

週末の朝、日の出と共に起きて身支度を整えるとこの季節、脚が向かうのは山中湖。

何がそうさせるのか理由は見つからないが、富士山が見えるという理由は、ここへ向かう最大の理由ではないようだ。

どういうわけか僕は山中湖に惹きつけられる。山中湖へは東名高速道路で行くのも良いが、道志道を使って向かうのがもっとも楽しいルートで、途中すれ違うバイク乗りと交わす挨拶もまた愉快だ。

 

僕は山中湖の湖畔にある三島由紀夫文学館より東側の湖畔エリアが好きでオートバイを走らせては何度か立ち止まる。

秋の紅葉の時期もこの辺は良い。

 

車でここへ来る時とオートバイで来る時とでは何か気分が違う。

その昔は自転車を車に積んで、ここか河口湖を起点に富士五湖を回ったりもしたけど、オートバイで巡るドライブはまた違った趣がある。

 

富士五湖はそれぞれに趣があるが、この山中湖の東エリアと本栖湖が僕は特に好きだ。

河口湖は、富士五湖で最大の湖だが、あちこちからここを訪れる観光客が尋常ではなく、平穏な湖畔の雰囲気を壊している。

写真撮影に混雑するほどの人混み。そして湖畔に並ぶホテル。せっかく都会を離れてここまでやってきたのに雑踏の中に戻るようで、どうも河口湖は苦手な場所だ。

 

その点、本栖湖などは喧騒とは無縁の場所で今頃の季節に行くと人気もなく閑散とした最高の景色が味わえる。オートバイは喧騒の場所から静寂の場所へと景色のグラデーションのように僕を導いてくれる。