THE BIKE SHED , LONDON
ロンドンの中央から電車で北部に向かうとショーディッチという街に着く。THE BIKE SHEDはショーディッチにあるが、駅で言うとOLD STREETが最も近い。
ショーディッチにはACE HOTELやミッケラービールなどもある。ロンドン全体から見ると華やかなピカデリーサーカスと比べてBACK ALLEY(路地裏)な感じの街だ。
カスタムバイク、ウエア、グローブ、ヘルメット。バイク関連のものならここでなんでも揃う。
ベルスタッフのウエアも、BELLのヘルメットもここでは普通に置いてある。
そして床屋があり、カフェ、レストランもある。
客は狭い入り口をバイクに乗ったまま入ることができる。そして奥まで行けばそこは駐車場になっている。
カスタムバイクを見るのは楽しいが、乗ってきた客のオートバイを見るのはさらに楽しい。
ここでは、「英国だからトライアンフ」なんてことは全くない。彼らはHONDAもYAMAHAもリスペクトしていて「日本のバイクは最高だ。」とあながちリップサービスとは思えないほどの熱意で僕に語りかけてきた。
この店にきて、ちょっと僕は思った。
いろいろな店員と話をすれば、店で働くものは全てオートバイを所有していることがわかった。
この店全体に流れる空気。それはオートバイへの愛情で満ちていたが、その理由はここにあった事に気づかされた。
これは今の日本にないことだ。 ロードサイド沿いのオートバイグッズショップにはレジ打ちのアルバイト君。販売のアルバイト君。品出しのアルバイト君。
彼らは誰一人オートバイに乗っていない。だからオートバイへの愛情に満ちた空気はそこにはない。愛情のない店で買い物はしたくない。
今日本では何が面白くないかというと、こういうことなのだ。
さて、このTHE BIKE SHEDにはチェスタースタイルの革張りのソファーがたくさん置いてある。床屋で髪を切り終えたニーちゃん達が、そのソファーに腰を落としてコーヒーを飲みながら、オートバイについて「あーでもない、こーでもない」とやっている。あっちのソファーでは僕と同じ年くらいのおっさん達がビールを飲みながら、次のツーリングの予定をたてている。
THE BIKE SHEDはライダースのためのパラダイスだ。ロンドンに行く機会があれば、是非。